肥満の分類について
脂肪のつき方で危険度が分かる
肥満は、大きく分けて「皮下脂肪型肥満」と「内臓脂肪型肥満」
に分類されます。
「皮下脂肪」は、その名のごとく、皮膚の下に付く脂肪のことで、二の腕や太ももを指でつまんだ時、皮膚のすぐ下についていることが分かります。
「内臓脂肪」は、内臓そのものにつく脂肪のことです。
これは、ただ脂肪のついている場所が違うということではなく、病気になる危険度で大きな差があります。
「メタボリックシンドローム」として問題になるのは、「内臓脂肪」であり、重大な疾患に進みやすい危険性をはらんでいるのです。
命に関わるのは、「内臓脂肪」だ
内臓脂肪に多いタイプは、「隠れ肥満」のタイプが多いということです。「皮下脂肪型」の場合は、 外見からも太っているのが分かりやすいのですが、「内臓脂肪型」の場合、むしろ「やせて見えるのに、お腹だけがぽっこり出ている」 というケースが多いので、肥満の自覚がない場合が多いのです。
また、欧米人に比べて日本人は少ないエネルギーでも内臓に貯め込みやすいという遺伝子を持っているらしく、「内臓脂肪型肥満」 になりやすいという特徴を持っています。
ではなぜ、内臓脂肪がつくと、命の危険性が高まるのか?
それは、内臓脂肪の細胞からは、身体の代謝に関わる物質が分泌され、中には悪玉の物質もあるので、生活習慣病の危険性を高めるのです。
内臓脂肪の中には、善玉の物質も分泌され、動脈硬化を抑えたり、体内の糖の代謝をスムーズにしたり、
高血圧を抑えるという効果もありますが、これは内臓脂肪が適正にある場合です。
内臓脂肪が過度に増えてくると、こうした善玉物質が減ってしまい、血栓が出来やすくなるような物質や、
血圧を上昇させる物質が分泌されます。
これが、内臓脂肪が怖い理由なのです。